2017年11月11日土曜日

リスクマネージメントを考える

jr.です。

 ここ数週間、神戸製鋼所問題でかなり振り回された感があります。正直、ここまでの風評被害は想定してなかったので、本当に驚きです。弊社は扱う素材のほとんどが神戸製鋼所なので、御得意先様にはかなりのご心配とご迷惑をおかけしました。しかし、概ねこちらの説明と、神戸製鋼所の厚板建材部の方との連携によって、完全とはいかないまでも不安は取り除かれつつあるかなと思います。しかし、信頼性はまず損なわれている状況なので、いかにここからまだ見えぬリスクへの対処をするかが、神戸製鋼所にかかっていると思います。

 一般の方には、今一つ今回の神戸製鋼所の問題を理解されていない方が多いと思われます。ともすれば、一昨年から問題になっているタカタ製エアバックのようなイメージを持っておられる方もいると聞きます。これは、大きな間違いです。一番の原因は、神戸製鋼所が行っていた、「製品検査における不正」ですので、製品自体に何かトラブルがあって判明したことではなく、社内調査を行ったうえで出てきたことなのです。一部には、内部告発があったとか、週刊誌の記事が原因だとかいう説もありますが、2008年から神戸製鋼所ではさまざまな不適切事象が実際には起こっており、その調査の過程で出てきた問題であるというのが正しい説です。細かな数値の不具合を、昔でいうところの「ボールペンなめなめ」して改ざんしていたということです。それが、日常茶飯事に行われていたということが大きな問題となったのです。

 報道を見ている限り、「特別採用」枠の不正利用という話もありましたが、「特採」というのは、顧客企業との間にかわされている品質基準であり、JISと呼ばれる基準とはすこし違う部分もあります。確かに特採は、機密性が高くJIS基準を満たしているか満たしていないかというところははっきりしません。しかし、法律的にも認められていることであり、特採の認識についてはなかなか難しい部分ではあります。報道各社はこの玉虫色の部分を掘ってきており、これは神鋼だけではなく、ほかの製造業者も戸惑っている部分です。工業基準として明確なものはないので、不正採用がどのくらいあったかということを調べるにはかなりの時間と労力を費やすことになります。その間にも仕事はどんどん始まりますので、はっきりいってそこに時間と労力を持っていけるだけの人員と金銭は、今の日本の製造業にはないとおもいます。これは大変危険な状況ではあります。数年前にあった耐震偽造事件もまた、しっかりとした調査が行われぬままに起こってしまった事件でした。同じことをまた繰り返す可能性はあります。神鋼だけではなく、製造業全体の危機として、今回の神鋼不正問題を考えていかなければならないと思います。

 リスクマネージメントを考える上で、やはり他社で起こったことというのは自社にも跳ね返るんだということを常に認識しておかなければならないと思います。弊社では、他社で起こった問題を必ず社長と共通認識して、自社にどのような影響があるか、また自社で同じようなことが起こった場合、どういう対処をしていけばよいかということを考えるようにしています。他のことだと放っておけば、必ず自社に跳ね返ることを今回すごく感じました。私はいち早く、神鋼問題が起こった際、御得意先様全体に今回の不正についてHP上やFACEBOOK上でご報告させて頂きました。その対応については、一定の評価を頂いています。やはり常に持たなければいけない危機意識は、中小零細企業にとって一番重要なことだと思っています。

 今回の神鋼問題では、本当にいろいろなことが重なって起こっていることだと思うので、なかなか根本の原因究明は難しいかもしれません。しかし膿は全部出してしまったと考えれば、新たな神鋼にはもう前を向いて進むしかない道しか残されていないと思います。信頼性の高い事業は継続して守る努力をして頂き、変えるべきところは変えていってもらいたいものです。


しつこくなりますが、くれぐれも正しい知識と見識を持って情報を精査し、風評には流されないように、皆様におかれましては願うばかりです。